福島原発事故と危機管理の実務 | |||||
ー原因と対応、事故調を読み解くー | |||||
ー事故から2年ー | Rev.2013.4 | ||||
全 文 | 第1章 概要 | 第2章 危機管理 | 第3章 事故実態 | 第4章 事故原因 | 第5章 事故調 |
後 藤 貞 雄 | プロフィール | ||||
2013年6月18日 | 原発講演履歴 | ||||
全文抜粋印刷用 | |||||
第1章 概要(要約) | |||||
第2章 リスクマネジメントと危機管理 | |||||
第3章 事故の経過と実態 | |||||
第4章 原因と背景 | |||||
第5章 四つの事故調査委員会 | |||||
空前絶後の福島第一原発事故 1.巨大システムの崩壊 ・ 敷地面積 350万m2(東京ドーム75個分) ・ 地震発生時、構内駐在 6,400人 ・ 原発 6基(470万KW) 使用済核燃料プール7つ 2.複合事故 ・地震、津波、原発 (道路・通信・人員・物資被災) ・ 構内破壊・高線量 (地震・津波、水素爆発) 3.全交流電源喪失(SBO) ・冷却機能喪失、暗闇、原子炉データ喪失:想定なし 4.複数原発事故 ・3機メルトダウン、3基水素爆発 ・1基使用済核燃料損傷火災 5.最悪シナリオ ・炉心爆発、使用済燃料火災⇒福島原発放棄⇒広域汚染 ⇒首都圏3,000万人避難 |
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原子炉の構造(出典 東電事故報告書) | 3号機 水素爆発 3月14日 11時 | ||||
2011年3月11日、福島第一原発において空前絶後の原発事故が発生した。その全容をリスクマネジメントと危機管理の実務の観点から読み解く。 事故から1年以上が経過し各種事故調も報告されたが、リスクマネジメントと危機管理の混同、危機対応を日常の感覚から見るなどの誤謬もあり、その本質がわかりにくくなっている。 福島原子力発電所の事故は空前絶後の巨大システムの崩壊である。発電所敷地は350万m2で東京ドームの75個分、地震時に構内にいた人は6,400人、3つの原子炉がメルトダウン・水素爆発、使用済み核燃料プールの崩壊懸念、首都圏に及ぶ大規模放射能汚染の可能性、地震、津波、原発事故と複合事故であった。 原発事故の原因は事故の発生以前にある。 人の活動には常にリスクが潜在している。 一見安全に見える日常にリスクが潜んでいる。そのリスクを明らかにし事故の発生を事前に防止する活動をリスクマネジメントという。完璧なリスクマネジメントは事実上不可能なので事故が発生するのである。 不幸にしてリスクが顕在化し事故が発生した後の対応を危機管理という。 通常、事故は事前に想定できなかったから起こるのであり、想定外が普通である。想定内であれば事故はすぐ収拾されてしまい大事故にはならない。 原発事故の根源的原因は、原子力規制当局と電気事業者の安全に対する不作為、意図的な怠慢、先延ばし、自己に都合の良い解釈と指摘されている。しかしこれらの人たちは皆、有名大学を卒業し国家公務員試験、一流会社の入社試験、同僚との競争を勝ち抜いた優秀な人材のはずである。それが、何故このような誤謬に陥ったのであろうか?果たしてこのような事故は今後も繰り返されるのであろうか? 一方時の菅首相は原子力災害対策本部長として、この未曾有の危機対応に当たった。 菅首相は危機対応を誤ったと非難され辞任したが、どうであろうか?それとも危機という極限状態における必要な行動であったのであろうか。 この平和ボケの日本では、マスコミを初め勘違いをしているのであろうか? それでは当時を振り返って、論理的、具体的に事態を読み解いて行くこととしよう。 |
原発事故トッピクス 全体 | |||
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原発事故トピックス 各論 | |||
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